DEEP Range

DEEP Range

 
 1月2月は、底を中心にDEEPミノーやスプーンをゆっくりと引いて誘う釣り方。
4月5月は、中上層を激しくアクションで攻める釣り方。そして6月の渇水時期や7
月以降は、DEEP Rangeを意識して、底から中上層を立体的に攻める釣り方をメイン
にしている。サクラマスは、その時期々に合わせた釣り方をしないと、中々安定した
釣果を得るのは難しい。
   

 6月中盤から後半にかけて、一気に水温が上がり同時に渇水になっていく。サクラ
マスの釣果も少なくなり、本格的なサクラマスシーズンとしては、もはや終盤だ。し
かし釣りの条件が悪くなるだけで、魚は確実に入っている。チャンスは少なからずあ
る。
 ポイントは中流から上流域、そして各支流河川へと移る。水温は15度を越える場
合もあるため、少しでも水温の低いポイントや流速のある深場など、特殊な場所に集
中してくる。流速のある深場のポイントなどは、攻め方が難しく表面を流しただけで
は、中々魚は水面までバイトして来ない。そこで意識しなければならないのが、DEE
P Rangeだ。釣りの条件が悪くなればなるほど、魚の警戒心も高くなり、バイト範囲
も狭くなる。サクラは動かないのだ。その状況下で、バイト範囲にルアーを送り込み
、サクラに口を使わせなければならないのだ。魚は追ってくるのに食いつかない。魚
がいるのに反応しないなどは、このDEEP Rangeが合っていなかった可能性がある。
あと10cm Rangeが違っていれば、魚は猛然とルアーを追い、ヒットにまで至った
かもしれない。
   

DEEP Rangeを意識した釣り方に使うルアーは、シンキングタイプのミノーやDEEP
ミノー。場所によっては、小型のバイブレーションも投入する。
釣り方は、狙うポイントが深場の流れの早いポイントが多い為、どうやって流れの底
へルアー送り込むかがキーになる。そして”ここぞ”というポイントで、U字をかけて
バイトを誘う。また底から魚にアピールするアクションは、トィッチングやジャーク
などを使う。しかしこのアクションがあまり強すぎると、バイトポイントに行く前に
ルアーのレンジが変わってしまうのだ。シンキングタイプのルアーなどは、アクショ
ンの動きが抵抗となり、早く浮いてきてしまう傾向にある。これを制御しレンジをKe
epするテクニックが必要になる。カウントダウン数とラインテンションから感じとる
流速から、ルアーがどのレンジを流れているかをイメージする。そしてアクションの
幅や強さ、ロッド角度やリーリングスピードなどを調整し、ルアーをコントロールす
る。またルアーの特性を良く知っておくことも重要な点だ。キャスティングは、シン
キングミノーの場合は、アップストリームを多用する。それは、流れを利用してルア
ーを底に沈めることができるからだ。そして自分の正面にバイトポイントを設定して
U字をかけるようにする。そうすると、比較的底をキープしたままポイントまで近づ
き、U字により一気に流れの抵抗を受けて、ルアーが浮上していく。DEEP Rangeに
潜むビッグトラウトは、目の前まで来たベイトが、突然上層に逃げていく姿に反応し、
リアクションバイトしてしまう。
   

 このDEEPレンジを意識した釣り方は、渇水後のサクラマスのみならず、夏ヤマ
メや大イワナ、また秋の婚姻色の出た秋のヤマメに対しても、かなり有効だ。

 最後に、私の場合釣りの固定観念にはとらわれない。常に新しいことに挑戦しよう
と考えている。試した結果は、魚の反応や釣果として現れる。また新発見などあった
ご紹介したいと思う。