サクラマスの釣り方4 -リーリングとヒット率は反比例-

サクラマス

 さて、このお題目である”リーリングとヒット率は反比例”と聞くと「はあっ?」と思う方がほとんどだろう。でもこれがサクラマスを数多く獲る秘訣なのだ。キャストした距離の分、リーリングは必要なのは確かだ。もう少し詳しく書くと、このお題目で”ラインスラッグを取るためのリーリング”と”ルアーを回収するためのリーリング”は除いて考える。サクラに口を使わせるために”ルアーを泳がせる時のリーリング”を指している。”ルアーが定位している時”と”ルアーが移動している時”では、ヒット率が違うと読み替えてもらっても良い。赤川の下流域での釣りを例にとると、朝から晩までルアーを投げ続け、ずーっとただ引きで海からのサクラの遡上を待つ。もしくは居付いているサクラの活性が上がる時合いを待ち続けるアングラーがほとんだ。これでも以前のように遡上の多かった時はサクラは釣れた。しかしながらここ数年の赤川の遡上数では、この釣り方では厳しい結果が多いようだ。せめて昔のベテラン連中がやっていたコロガシ漁法を使えばヒット率も上がると思うのだが、この漁法を知っている人も少ないだろう。少し解説すると、このコロガシとはスプーンをキャストした後、ラインスラッグを取り、カウントダウン後はリールを巻かない。ルアーは川底をゴロゴロと転がっていく、そして下流に行くに従って扇状に弧を描き、結果的にダウンクロスを演出する。最後に岸に近づいたらあとはルアーを回収すると言った釣り方である。私も赤川でサクラを始めた当初は、このコロガシ漁法でサクラを狙っていた。1990年代、まだサクラマスのルアー釣りがメジャーではなかった当時でもベテラン連中は、サクラマスはルアーを追わないと言うことを知っていたのかもしれない・・・ルアーもスプーンが主体で、ミノーはラパラとかなんとかのレッドヘッドとかのミノーしか無かった時代でもあった。その後様々なルアーを含めた道具が開発され、釣り方も変わって行った。
 話しを元に戻すが、投げてルアーを巻くだけのただ引きでは、サクラマスの鼻先を通過したとしてもほんの一瞬、U-EFFECTがかかったところにサクラが居たとしても確率はかなり低くい。これだと我慢の釣りとなり、ほぼビギナーズラックの釣りとなるが、時間にゆとりのある方は、これでも良いと思う。しかし出来るだけヒット率を上げ、効率的にはサクラを獲りたいのであれば、リーリングを出来るだけせずにルアーを定位させる。しかしそれだけではウオンブリングをしないので、ダウンで水流を利用してルアーを泳がせる。この時立ち位置と重さを含め、どのタイプのルアーを選択するかが重要である。そしてピンポイントでサクラの鼻先で定位させ、一気にアクションを入れリアクションバイトを誘う。このように攻撃的に攻めることによって、年間30~40本と数多くのサクラを獲ることができる。
※写真は2000年以前の赤川での釣り風景。月山ダムが稼働する以前の赤川は、春の雪代時は水量が多く流れがあり、川の様子も常に変化していた。

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